整体と接骨院は何が違うのか?
来院される方から聞かれることが多いので、こちらで3つお伝えさせて頂きますね。
- 接骨院は保険適応、整体は保険が使えない
一般的に、接骨院で保険診療が適応となるのは、骨折や関節の脱臼、むちうちなど主に外傷のみとされています。
肩こりや腰痛、骨盤の歪みなどの慢性的な症状には、保険が適応とならないです。
整体では、このような保険が使えないお悩みを解決する場となっています。
痛みや不調の緩和だけでなく、薬に頼らずに体質を含めた根本的な改善を目指したい方が、保険ではなく自費で施術を受けることが多いです。
整体は痛みや不調の緩和に寄与する場合があるものの、その効果は個人差があり、科学的な試験による一貫した証拠が不足していることが課題とされています。そのため、従来の医学に基づく治療法と比べて、整体の医療保険が適応となることが難しい状況が続いています。
- 施術時間
接骨院では保険が使えるため、基本的に1回の施術時間が短いことが多いです。
電気治療のみの場所もあれば、電気治療とベッドでの施術をおこなっているところもあります。平均的には、10~15分くらいのところが多いようです。
接骨院で行っている電気治療の代表的なものには以下があります。
- 電気刺激療法(電気筋反射療法):筋肉や神経に電気刺激をして、痛みを和らげたり、筋肉の緊張をほぐす効果があります。
- 超音波療法:高周波の音波を使って、深部の組織に熱を発生させて血行を促進して筋肉の緊張を和らげます。
- 電気焼灼療法:電極を用いて組織に電気を流し、局所的な炎症を抑えたり、痛みを軽減する目的で行われることがあります。
整体では、多くのところが電気治療は行わないため、手による施術のみという場所が多いです。施術時間は30~60分程度が一般的です。整体は個々の身体の状態や問題に合わせて施術が行われるため、具体的な施術時間については事前に確認すると良いと思います。
急性の痛みや外傷で、時間は短くても良いから電気治療をしてもらいたい場合は接骨院。慢性的な痛みや症状で悩んでいて、じっくりと時間をかけて手技によって根本的に体を良くしていきたいという場合は、整体を選ばれると良いかもしれません。
- 施術している先生の保有資格の違い
主に接骨院では「柔道整復師」という国家資格をもっている先生が多いです。
骨折、脱臼、捻挫などの急性外傷に対応できるのは、医師と柔道整復師のみとなっています。そのため、接骨院では骨や関節の問題に焦点を当て、電気治療や施術を行っているところがほとんどです。
一方で、整体を運営していく上では、基本的には国家資格は必要ありません。整体の専門学校で知識と技術を勉強してから開業する先生もいれば、柔道整復師や理学療法士、作業療法士、鍼灸師、アスレティックトレーナーなどの資格を保有している先生が運営している場合もあります。
しかし、整体は自費診療という側面から、学校や病院、接骨院などの現場で体や病気の勉強をしっかりとして、症状改善のための特殊な技術を学んでから開業している先生が多いです。
それぞれの資格の特徴や強みを以下にまとめました。
- 柔道整復師は、東洋医学や西洋医学の要素を組み合わせた総合的な治療理念を持っている先生が多いです。手技療法に優れており、関節の調整やマッサージ、ストレッチングなどを用いて痛みや不調の改善を図ります。
- 理学療法士は、身体の機能や解剖学、生理学に関する知識を有しており、研究論文などで立証された科学的な根拠に基づいた治療法を提供します。運動療法を得意としており、患者様の状態に応じた運動プログラムやリハビリテーションにて機能の回復や改善を促進し、生活の質を向上させます。
- 作業療法士は、日常生活の活動や仕事など、患者様の個々のニーズに合わせた治療を行います。患者様の価値観や目標を重視して、意味のある日常生活を送って頂くために患者様と協力関係を築きながらサポートをしていきます。これは心身の健康を向上させ、メンタルウェルビーイングを促進する助けとなります。
- 鍼灸師は、経絡と呼ばれるエネルギーの通り道に針や灸を用いて身体の気の流れを調整します。鍼灸は特に慢性的な痛みや様々な不調に対して有効で、筋肉の緊張を和らげ、神経系の調整を通じて痛みの軽減が見込まれます。鍼灸は身体全体を見た総合的なアプローチを取り、症状の根本原因だけでなく、全体的な健康促進にも寄与します。鍼灸治療は非侵襲的で、薬物療法や手術と比べて副作用が少ないとされています。安全性が高いため、様々な年齢層や健康状態の方へ適しています。
- アスレティックトレーナーは、アスリートの健康管理やトレーニングのサポート、テーピングによる障害予防、痛みのサポートなどにおいて役割を果たします。スポーツ選手の怪我予防策を提供し、怪我が発生した際には適切な応急処置や治療を行います。例えば、捻挫や打撲などの応急処置から心肺蘇生、脳震盪に対する対応まで、緊急時のトレーニングを受けています。怪我や手術後のリハビリテーションにおいて、プログラムを設計して、迅速な競技復帰をサポートします。
当院では、理学療法士や作業療法士の資格を保有している先生が多く、病院で5~8年くらいの経験を積んでいる先生が多いです。
ご自身の症状が接骨院なのか整体なのか、参考にして頂けると幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。